こんにちは、レミレオといいます。10年間病棟看護師として勤め、2交代勤務・3交代勤務を経験してきました。
「新人看護師」・・・それは、看護師であれば誰しもが経験するステージですが、とにかくつらいものです。
新人時代に病んでしまい、精神科薬の内服をしながらなんとか出勤していた人、耐えきれず職場を去った人、何人も見てきました。そして、レミレオも、人生で一番過酷ともいえる一年間を過ごしたものです。
新人看護師の一年間は、誰にとっても試練の1年間だったわ・・・
でもあの一年間が自分の基盤になっていることは間違いないと思う。
新人看護師は、看護海という大海原への船出を始めたばかり。慣れないことばかりでつらい大変な毎日を送りますが、その一年間どのような姿勢で仕事に臨むかで、その後の船旅が、順風満帆かそうでないかに大きな影響を及ぼすことは間違いありません。また、自分の看護観が固まってくる大事な時期でもあります。落ち込みながら過ごすだけでは未来の自分にとり、勿体ないのです。
新人看護師が病んでしまいやすいポイントと、レミレオ的改善策について記載していきます。少しでも悩める新人看護師さんの力になれれば幸いです。先輩看護師さん達も、「昔、そうだったな~」なんて思い出しながみていただき、新人教育の参考にしていただければ嬉しいです。
新人看護師の 病みポイント5選
新人時代は、どんな職種であっても不慣れであり、一人前になるためには日々研鑽が必要なものです。そんな中でも、新人看護師の場合、病んでしまいやすい特有の理由があります。そのポイントについてご紹介していきます。
先輩に話しかけられなくて病む
新人看護師は、とにかく、何をするにも自己判断で行わないことが重要です。「新人看護師が、わからないのに勝手に自分で行ってしまう」ということは、職場にとってとても怖いことです。事例によっては、その病院の世間的な信用を落としかねない事態に発展する可能性もあるからです。
わからないことがあれば調べたり、先輩看護師に確認したり、技術をチェックしてもらうなどが必要となります。初めの頃はフォローしてくれる先輩がついてくれているものですが、そのうち一人立ちをすると、とても忙しそうにしている先輩に声をかけ、質問や依頼しなければならなくなります。それを新人看護師は「申し訳ない」と感じ、委縮してしまうことがあります。
怖い先輩の場合、追及されたり罵倒される覚悟で話しかける必要があるという場合もあるかもしれません。また、技術チェックは毎度緊張するもので、同期と比較し自分技術習得が遅く、なかなかOKをもらえないと落ち込んでしまう場合もあります。
時間管理が難しくて病む
看護師の仕事はやることが盛りだくさん。その時々で優先順位をたて、パズルのようにタイムスケジュールを組み立てながら業務を遂行していきます。多くの業務の中には、何がなんでも遅らせてはいけない業務が存在します。うっかり忘れてしまった、ということは許されない業務です。
例えば、時間で行かなければならない抗生剤投与が遅れてしまったり、食前の血糖測定が終わっていないのに患者さんが食事を食べてしまっていたり、などインシデントに繋がる事例が発生してしまいます。
新人看護師は、慣れるまで、これが上手くいきません。筆者も新人時代、先輩に「時間大丈夫?」「あれわすれてない?」など指摘をしていただいて気づいたということがありました。また、経験を積み新人のフォローにつく際も、時間管理不足によるミスを補う役割を担っていました。
「ちょっと遅れただけなのに」では済まされないのが看護師です。
ナースコールに出てばかりで病む
ナースコールは、医療機関にとってとても重要な役割をはたしています。ナースコールがもしなかったら、患者さんは看護師に用事があった際、不調を抱えながら大声で叫ばないといけません。その声は他患者にも悪い影響を及ぼし、病気の回復に集中できない、声を上げること自体ができず発見が遅れるということもあるでしょう。ナースコールは病院の機能や医療の質を向上させる、有難いシステムなのです。
しかし、鳴りやまないナースコールに嫌気がさしてきてしまう、という看護師も多いのが現実です。何かしようとする度に鳴るナースコール。仕事が進まず、わかってはいても、「またかー」とため息をつきたくなってしまいます。体の不調やトイレ介助など、ぜひ呼んでいただきたいという場面もあれば、他愛もない世間話やリモコンどこやったっけ?などの用事で呼ばれることもあり、バラエティに富んでいるのがナースコールです。内容によっては、病棟の端から端まで急いで歩いてきたのに・・・とがっくり来てしまうこともあったりします(本当はそんなコールも大事なんですけどね)。
特に、新人看護師さんは率先してナースコールに出るように促される職場も存在します。患者さんの対応を多く行うことで、早く業務に慣れるというメリットもありますが、ナースコールばかり出ていると、自分の終わらない仕事が余計に終わらなくなり、毎日残業続きということも。また、仕事中の歩行距離も長くなるので、足が疲れパンパンになってしまいます。
インシデントばかり起こして病む
新人看護師は、インシデントを起こしてしまう件数が多いものです。インシデントの内容は多岐にわたります。
新人看護師は仕事を覚えている途中ですので、ある程度は仕方のないことです。先輩たちも、同様の日々を過去に経験しており、みんなそうやって成長をしていくのです。大きなアクシデントに繋がる前に、自分の失敗から学び、次につなげていくようにしましょう。
ヒヤリ・ハット事例があったら、先輩と一緒に振り返りを行うことが何よりも大切です。自信がない時は、自分から相談するようにしましょう。職場の安全につながることですので、先輩も親身に相談に乗ってくれるはずです。
勉強することが多すぎて病む
新人看護師は、いくら勉強しても勉強が足りないと感じる状態が続きます。学ぶことは膨大で、とてもとても数日で追いつくものではありません。帰宅後自宅で勉強する必要があることはもちろんですが、新人看護師は職場にも参考書やノートを持参しており、通勤バックはいつもパンパンです。その重みがわずかな安心につながるのです。
新人看護師が仕事をしていると、「この疾患って何?どこを観察すれば良いの?」「この点滴は普通につなげて良いの?」「この検査の準備ってどうするの?」「この書類は何?」などとわからないことが次々と浮上し、尽きることはありません。
筆者は、新人看護師時代、大海原に身一つでポツンと取り残される感覚になりながら、出勤した事を覚えています。自分は本当に先輩たちのような看護師になれるのかと、とても不安な日々を送っていました。
新人看護師の道を拓く!病みポイントの改善策5選
つらいことばかりの新人看護師ですが、上手くやれる対応策はあります!
以下に記載していきますので参考にしていただけると嬉しいです。
落ち込まないで!改善策を紹介していくよ!
朝の時点で先輩にアポをとっておくべし!
忙しい中、先輩に作業の手をとめてもらい何か教えてもらったり、チェックしてもらったりということが申し訳なく感じてしまう場合は、ぜひ、朝の時点でアポをとっておきましょう。
「今日は●●さんの▲▲の検査がある予定なんですが、まだ一人立ちしていないので検査準備を一緒に見ていただきたいです。よろしければ、■■時頃お声がけしても良いでしょうか」
「今日、初めて●●の点滴を取り扱うのですが、▲▲に注意して投与しようと思います。」といいった具合に先輩に声をかけ、了承を得ておくことができれば、あなたは最高です!
先輩もそのつもりでタイムスケジュールを立てられますし、自分の心の余裕が生まれます。
気づくと1日が終わっている、嵐のような現場だからこそ、とにかく早めに早めにが重要です。
時間でやることは アラームやメモを利用して 何が何でも思い出すべし!
外せない、時間でいかなければならない薬や検査、患者さんとのお約束・・・など。大事なことは自分で気づかないといけません。できれば同期に「ねえねえ、〇〇時になったら私の患者さんの△△があるから、教えてちょ(^^♪」なんて依頼できたらどんなに良いことかと思いますが、それは無理です。同期は同期で精いっぱいなのでそんなことは頼めません。
人は誰も助けてくれない・・・そんな時はお助けアイテムに頼りましょう!
看護師用のタイマーを使用して、その時間にアラームが鳴るように設定しておりたり、すぐに目の付くパソコンの端などにメモを書いた付箋を貼っておくと、すぐに気づくことができてベストです!
アイテムたちは、自分の性能を持って全力であなたのサポートをしてくれることでしょう。
そして「いつも助けてくれてありがとうね」と、愛着をもってアイテムを使っていきましょう。
ナースコールは スポーツ!万歩計と着圧靴下を装着するべし!
鳴りやまないナースコールで、記録もすすまず悩むあなた。「はあ、またナースコールだよ・・・」なんていちいちガッカリしていては、自分が病んでしまう一方です。
レミレオは提案します。こう振り切って考えてしまいましょう。
ナースコールはスポーツ!!
その時にどれだけ機敏な反応ができるのか。患者のもとへ競歩で向かうことができるのか。
ビーチフラッグみたいなもんです(でも危ないので走るのはダメです。)
ナースコールに出た分だけ、あなたは強靭な足の筋肉と、患者さんの感謝の言葉を受け取ることができる。しかも勤務中ですのので、お金もいただきながら!
万歩計を使うこともおすすめです。歩数を意識することで、「歩数を増やそう」という目的もかねて、前向きにナースコールに出ることができます。レミレオも万歩計を使用していたことがありますが、一日1万歩は容易く達成していました。
また、看護師にとって着圧靴下は必需品です。圧のかかり方によりきつすぎたり、ゆるすぎたり、素材によって痒くなってしまったりと、意外と難しい一面がありますので、自分のお気に入りを探していきましょう。
レミレオのおすすめは、膝~くるぶしまでのサポーターです。これは超おすすめです。登山用品店で購入しました。靴下みたいにつま先にすぐに穴があいてしまうこともない。生地が強くて伸びにくい。くるぶしまでのソックスを履くことで、少し隙間ができるのでこれが涼しい。そして、渇きやすい。良いことしかありません。
明日から、「ナースコールだ、良し鍛えるか!」とコールに出られたら、あなたは最高です。
先輩のインシデント体験談を伺うべし!
ミス続きで、「自分はなんてダメな看護師なんだ・・・」と奈落の底まで落ち込んでしまいそうになった新人看護師さん。そのままではいけません。
そんな時はぜひ、自分が理想とする先輩に、インシデント体験談を聞いてみましょう。どんなに立派な先輩も、とんでも無いしでかしを一度や二度はしているものです。
「え、先輩でも、そんなこしちゃったことがあったんだ!」と驚くことでしょう。そして、「誰でも新人時代は同じなんだな。」と自分を許すことができ、その後に勇気が湧いてくるでしょう。
新人はできなくて当たり前なんです。新人に色んなことを一度に求める職場がおかしいのです。
新人の成長に合わせて教えていくことは、先輩達の務めです。
新人は、失敗をバネにして成長し、一人前の看護師になった時に恩返しをしたら良いのです。
できるようになった事に目を向ける事も大切だよ!
看護の道は奥が深くて長~~いので、焦らずに行こう。
勉強は一度には無理と割り切り、まずは全体を把握すべし!
「何から勉強したら良いかわからない。」
「わからないことがわからない。」
「あーもうすべてを投げ出したい!」
そんな新人看護師さんは、まずは全体像を把握しましょう。一年間のうちに習得してほしいと職場から提示されている一覧リストがあると思います。一度、それをまずはじっくりと眺めることから始めましょう。
この中で、自分が優先させてやらなければならないことは、やはり自分が一度見学させてもらった技術の復習、受け持つ可能性の高い疾患の勉強あたりになりますよね。1つのことができるようになったら、もう一つ・・・と範囲を広げていったら良いのです。
技術チェック表は見るのも嫌かもしれませんが、全然こわいものなんかじゃありません。小学校の時の、夏休みのラジオ体操カードとでも思っていれば良いです。それがだんだん埋まっていくのが楽しかった、その感覚を思い出しましょう。
「こんなのできるわけない・・・」と思ってしまうかもしれません。ところがどっこい、一年後には、できちゃっているんですよ。新人からするとドキドキしてしまう、血管確保や、NGチューブ挿入とか、バルンの挿入などは、慣れてくると楽しいもんですよ。
はい!!できている一年後の自分を想像してください。
基本的な知識・技術が習得できて、先輩に「私がやってきますよ(^_-)-☆」なんて涼しい顔して言っている自分を想像してください。どんな気持ちになりますか?なんだか、嬉しくて、ニヤけてしまいますよね。
想像できたあなた、もう、それだけで一歩前進です。だって、それが想像できるあなたは、ちゃーんと一人前ナースまで続く道の上に立っているのだから。
焦らなくていいんです。手の届くところから、気持ちが追いつく範囲で、頑張っていきましょう。
毎日出勤するだけで、いろんなことが勉強できる。あなたは前進しています!!すごい!!
どうしても不安感が大きい場合は、絶対に一人で抱え込まず、同期やプリセプターの先輩に相談しましょう。きっとあなたの頑張りを見てくれているはずですよ。
もしよければ、レミレオにも、メールをいただけると感激します。
最後に・・・ 医療・福祉の現場にとって、日本にとって、とっても大事な新人看護師さん。この道を志すことを決心したあなたを、レミレオは心から尊敬し、応援しています。看護の道にきてくれてありがとう。 ガムシャラにに頑張ることも大切だけど、自分を大事にすることを忘れないで、いきましょうね。
あなたを大事にできるのは、あなただけ!
心身の不調があればちゃんと気づいてあげて、対応してあげてね。
仕事がすべてじゃないからね。
レミレオ